〈第9回〉相手の一番良いところを探しましょう
“褒め”てる?“認め”てる? それ間違ってない?
こんにちは、「人の印象の専門家」の吉武利恵です。
「褒める」と「認める」を丁寧に扱い、意識することで、あなたの印象はグッと高まりますよ。
普段のコミュニケーションで、褒めたり認めたりすることが、脊髄反射の無意識の対応になっていませんか?
人はプラスのストロークを心地よく感じます
「褒める」と「認める」という行為は、心理学でいうプラスのストロークのグループに入ります。
「ストローク」という言葉は本来、スポーツ競技などの「動作」の意味ですが、心理学では「他者に対する自分の表現」という意味で使われます。
プラスのストロークは、相手に対してプラスの投げ掛けの発言や動作です。人は批判などのマイナスのストロークより、プラスのストロークを心地よく感じます。
今一度、「褒める」と「認める」を丁寧に扱うことを意識しませんか?
まず、褒めることは、ゴマをすることではありません。心のこもっていないうわべだけの褒め言葉は相手の心に届かないでしょう。心から感じたことをあなたの言葉で伝えるようにしてください。
見返りを求めず、コミュニケーションしましょう!
しかし、せっかく相手を褒めたのに、喜ばれなかったことはありませんか?
そんなとき相手の反応に何だか損した気持ちになる方もいるのではないでしょうか。
それは、相手が喜ぶことを予想して褒めたので損した気持ちになるのです。
相手の反応が自分の予想や期待通りであれば、心地よく感じ、予想と期待が裏切られたら、心地悪く感じます。
これは見返りを求めるコミュニケーションをすると起こってしまう現象です。
見返りを求めず、相手から何が返ってくるか分からないというスタンスでコミュニケーションを取ると少しは楽になるかもしれませんね。
関係性に注意が必要、性格に合わせた言葉選びも
相手を高く評価する表現として、褒めたり認めたりする場合、関係性に注意が必要です。
基本的に評価は、目上の人が下の人に対して行う行為です。下の人が目上の人に対して発言してしまうと、目上の人が気分を害すことも考えられます。褒め言葉でも印象が悪くなるので注意しましょう。
そして、言葉の受け取り方にはさまざまなタイプがあります。
褒め言葉なら何でもうれしく思う人もいれば、漠然とした褒め言葉に違和感を抱く人もいます。相手の性格に合わせた言葉選びの配慮が必要です。
褒める部分、認める部分がないとぼやいてませんか?
相手の良いところが見当たらない、認める部分がないと諦めてることありませんか?
よく「部下には褒める部分も認める部分もない」と、上司がぼやいていることがあります。本当にそうでしょうか?
認める部分は必ずあります。
それは「存在承認」です。
「おはよう」「お疲れさま」などのあいさつや「仕事やってるね~」など、評価の入らない声掛けも、認める行為です。
存在承認は、相手が今ここに存在していることを言葉やアイコンタクトで認めることができます。
お客さまへの声掛けも存在承認です
お客さまへの声掛けも存在承認なので、積極的にお声を掛けることが大切です。
くれぐれも、存在する人間を無視することは避けましょう。相手の心を傷つけるだけでなく、仕事のやる気も奪い取ってしまう行為です。
そして、良いところの簡単な見つけ方は、こちらの物差しを基準に判断するのではなく、相手の中の一番良いところを探すと見つかりやすくなります。相手に対して興味を持って、よく観察することから初めてください。
日々の振る舞い、発言、行動の積み重ねが、あなたの印象をつくります。本来のあなたのポテンシャルに近づくため、印象で損しないために、ぜひ、印象のセルフマネジメントを意識し続けてみてください。
最後まで、お読みくださいまして、誠にありがとうございました。
次回は、『 商品を高く見せる“技”知ってますか? 』をご紹介します。