〈第21回〉顔周りの身だしなみで印象アップ

汗ばむ夏に向けてニオイケアできていますか?

汗ばむ夏に向けてニオイケアできていますか?

「人の印象の専門家」の吉武利恵です。

暑くなってきましたね。そろそろ汗や脂、体臭などのニオイが気になる季節ではありませんか?

コンビニや薬局に、さまざまな種類の「汗拭きシート」が並ぶ季節になりました。近年、人に会う前に汗拭きシートで、汗や脂をふき取ることがビジネスマンの身だしなみになってきたように感じます。

男性に比べて、多くの女性はニオイに敏感だといわれています。女性が男性の身だしなみの中で悪印象に感じる1つに「不快なニオイ」があります。これは男女だけの問題ではありません。ニオイに無頓着な女性がいるのも確かです。同じように、ニオイに敏感な男性もいます。

自分のニオイが気になる人もいれば、他人のニオイが気になる人もいます。ニオイをとても気にする人やニオイに無頓着な人など、ニオイの感じ方は個人差があります。

不快なニオイの人に出会ったときに相手に直接、不快感を伝えられる人もいるかもしれません。しかし、日本人のコミュニケーションの特徴として、相手を気遣い、遠慮し、傷つけないために何も言わず距離を取ってその場を離れる対応をすることが多いのではないかと思います。

社会生活をしていれば、社内、社外の人とのコミュニケーションや、エレベーターや電車の中など、1m以内の距離で他人と接することが多くあります。自分のニオイは自分では気付きにくいものです。相手に不快な思いをさせないことが、エチケットであり身だしなみです。

これからの時代は、年齢や性別に関係なく、ニオイを意識して、ケアをすることがビジネスパーソンの「身だしなみ」といえます。「身だしなみ」に無頓着なのは、相手に敬意を払っていない行為と言い換えられます。

夏目前のこの時期から、ニオイケアもセルフマネジメントとして、今一度見直してみましょう。今回のコラムでは、ニオイに関して意識する個所とケアの方法やアイテムなどをご紹介します。

《 ニオイケアのセルフマネジメント 》

体臭の中でも幾つか、人を不快にさせるニオイがあります。

例えば、汗や皮脂、細菌などから発生するニオイや口臭のニオイ。髪や衣類などのニオイも相手を不快にさせる可能性があります。印象マネジメントの重要な個所が、相手の視覚と嗅覚、聴覚に近い「顔周り」です。顔周りなどの頭部は、相手の鼻に近い場所なので、ニオイケアの最重要個所です。

皮脂のケア

皮脂のケア

頭皮は皮脂が多く汚れやすい部位です。

皮脂腺の量は1 ㎝² 当たり「頭:144~192/鼻:96~102/顎:56~65/脇:19~55」となり、他の部位と比べても、頭にある皮脂腺の量が多いのが分かります。

皮脂量は男女共に20才がピークです。男性はピークからあまり変わりませんが、一般的に女性は30才から皮脂の分泌が少なくなるので、乾燥も気にしなければなりません。男性ホルモンは皮脂を分泌させる働きがあり、女性ホルモンは皮脂を抑制する働きがあります。

洗髪のタイミングの基本は、男性で1~2日に1回、女性で1~3日に1回。年齢と皮脂の分泌量に合った回数にします。洗髪後の皮脂は24時間で100%戻ります。6時間で80%は戻りますので、洗髪のタイミングの目安にしてください。働き盛りの20~40代のビジネスマンは、毎日の洗髪をお勧めします。

では、シャンプーについて触れていきましょう。

シャンプーの役目は「頭皮の洗浄」と「毛穴の洗浄」です。前者で美しい清潔な髪、健康な頭皮を作り、後者で育毛、フケを防ぎます。シャンプーの基本は「丁寧に洗って、よく洗い流す」ことです。

シャンプーの泡がクッションの役目を果たし、頭髪のキューティクルや頭皮の損傷を防止してくれます。そして汚れの再付着を防いでくれるのです。シャンプーは中性やアルカリ性なので、リンスやトリートメントで本来の酸性(PH4~PH5)に戻します。

抜け毛を気にされている方もいるかもしれませんが、髪の平均本数は約10万本です。抜け毛は1日に40~70本が平均なので、1日100本くらい抜けても大丈夫です。

湿っている頭皮や頭髪のままでは、常在菌が繁殖してしまいます。頭皮と頭髪をドライヤーで乾かしましょう。熱による毛髪の損傷を防ぐためには、髪とドライヤーの距離を10㎝以上離して1個所に集中して当てず、首振りにして乾かします。

普段使っている枕のニオイは、寝ている間に頭部の皮脂や汗が染み込んだあなたの頭部のニオイです。どんなニオイがするか確認してください。

汗のケア

汗ケアの基本は、「早めにふき取り、早く乾かす」ことです。

本来、汗は無臭ですが肌の表面で細菌などが汗や皮脂を分解することで、汗臭いニオイを出します。24時間以内に入浴して汗や皮脂、細菌を洗い流して清潔にすることがとても大事です。ゴシゴシと肌を傷める洗い方をすると、肌表面のバリア機能が壊れてしまうので、あくまでも優しく洗ってください。

男性用の汗拭きシートは数年前からよく売れていますね。近年では女性用やさまざまな種類が販売されています。今年はお気に入りのシートを見つけてみませんか?

ワキや足の裏には多くの汗腺があります。ここもニオイが気になる部位です。制汗デオドラント剤や消臭グッズなど、自分に合うアイテムを活用することをお勧めします。特に革靴の中で蒸れた足は角質が細菌のエサになり、細菌が繁殖すると悪臭を放ちます。

角質を取り除くケアや天然素材の通気性や吸水性のよい靴下を履くこと、そして、同じ靴を毎日履かないなど、幾つか組み合わせて取り組むことが必要です。

ワキガはアポクリン線から出るニオイです。耳あかが湿っていたり、白い衣類に汗の黄ばみが見つかれば、程度によりますがワキガの可能性があります。遺伝することが多いので、家族にワキガの方がいれば可能性はあります。ワキガの可能性がある場合は、医療機関を受診してみましょう。

そして、胸の間や背中の中心は、洋服で覆われている部位なので、相手がダイレクトにニオイを感じることは少ないかもしれません。しかし、汗腺や皮脂腺が集まっている部位なので、同じようにケアを意識してください。

口臭ケア

口臭ケア

口臭の原因は、ドライマウス、歯槽膿漏、虫歯、歯垢、舌苔の細菌や、ニオイの強い食べ物、タバコなどです。

正しい歯磨きで、日々のケアをしていると思いますが、1年に1回以上は歯科検診や口内クリーニングをお勧めします。口臭検査をしてくれる歯科医院もあります。

食事では唾液が出るように、よく噛んで食べる習慣を付けてドライマウスを予防することも意識しましょう。タバコを吸った直後に、タバコを吸わない相手との距離が50㎝以内になる際に一度、肺の中の空気を全て吐き出す気遣いはうれしい行為です。

口臭が気になる方は、口臭チェッカーという検査機も販売されているので試してみてもいいかもしれませんね。

化粧品のニオイ

香料の強い化粧品、整髪料、ボディークリームや香水など、自分にとって良い香りであっても、人には不快なニオイに感じる場合があります。香りの強さによって、付ける量を調整してください。自分では気付かない場合があるので、他人に香りの強さを確認してもらうのがお勧めです。

衣類ケア

布の繊維にニオイは付着します。

人が不快に感じるものとして、防虫剤のニオイやタバコのニオイ、食べ物では焼き肉やお好み焼きなどタレやソースがこげたニオイ、雑巾などの生乾きの細菌のニオイ、香りの強い柔軟剤のニオイなどです。特に時間が経つと、より不快度が高いニオイに変化したり、取れにくくなるので早めの洗濯やクリーニングがお勧めです。

その他のニオイケア

食事でニオイケア

体臭や口臭が気になる際は、ニオイの強い食べ物や動物性タンパク質やアルコールを控え、食物繊維が多く腸内環境をよくする食事にしてみましょう。抗酸化食品を取り入れることもお勧めです。

運動や入浴でニオイケア

運動で汗をかくことで汗腺を鍛えて、さらさらの汗をかく習慣も大切です。もし、運動をすることが難しい場合は、入浴でじんわり汗が出るまで湯船につかりましょう。体温が1℃上がれば免疫力も数倍高まるので一石二鳥です。

ストレスや睡眠でニオイケア

ストレスや疲れで免疫が下がれば、体臭が強くなることがあります。自分なりのストレス発散方法を見つけて、体を十分に休めて免疫力を高めましょう。

不快なニオイは「清潔」とは間逆の「不潔」、「だらしない」印象を与えてしまいます。

印象で損しないためにも、今年の夏はニオイケアを今一度見直して、感じの良い好印象を目指してくださいね。

最後までお読みくださいまして、誠にありがとうございました。日々の振る舞い、発言、行動の積み重ねがあなたの印象をつくります。本来のあなたのポテンシャルに近づくために、印象で損しないために、ぜひ、印象のセルフマネジメントを一緒に意識し続けていきませんか?

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