〈第22回〉印象の良さは感じの良さ
顔まわりの「清潔さ」は仕事の評価につながる
「人の印象の専門家」の吉武利恵です。
歳の重ね方により、気が付けば印象が良くなっている人、逆に印象が悪くなっている人がいると感じませんか?
実は、人は相手の印象を容姿の良し悪しで判断するのではなく、感じの良し悪しで判断しています。ですから、感じの良い人は歳と共により印象が良くなっていくのです。
容姿の美しさは永遠ではありませんし、容姿は変えられません。
ですが、感じ良さを伸ばすか、感じ悪さを放置するかを選ぶことはできます。
清潔にしているのと、そう見えるのは同じではない
ビジネスの場面では、相手の評価が成果に反映されます。感じ良く見える人と感じ悪く見えてしまう人では、同じことをやっていても評価に差が生まれてしまうもの。つまり、感じ良い印象は、ビジネス成功の1つの要素といえます。
男性も女性も肌や髪は隠すことができない部分ですよね。今回は顔まわりの印象をセルフマネジメントするために、どのようなことに気を付けたらよいかについてご紹介します。
「清潔に見える」意識で若々しい印象を!
「身だしなみ」を整えることは必須のビジネススキルですが、顔まわりの印象をマネジメントするために必要なポイントが「清潔に見える」ことです。
清潔にしていることと、清潔に見えることは同じではありません。清潔にしていても清潔に見えなければ、他人からは「清潔でない」という評価になってしまいます。
例えば、白いシャツがあるとします。それに洗濯で取れない染みや黄ばみ、シワがあったり、ボタンが取れかけていたりしては、残念ながら洗濯した清潔なシャツであっても、清潔には見えないのです。
このように「清潔にする」ことに加えて、「清潔に見える」ことも意識することが大切です。肌や髪も状態を良くして「清潔に見える」ことを意識しましょう。
「血色が良い」「肌艶が良い」「髪に艶がある」と、健康と心身のバランスが良く見え、前向きでエネルギッシュ。そして、活力がある若々しい印象を与えます。
目指すのはこの印象で、肌や髪に艶がないと、顔が暗く、血流が悪く不健康で老けて見えます。これでは印象で大幅に損をしてしまうので、できるだけ早く改善策に取り組んでいただきたいです。
状態の良い「肌」や「髪」をつくる6つの要素
食事:タンパク質で髪に栄養を与える
髪は80%がタンパク質でできています。食事では魚、肉、大豆など良質のタンパク質を取りましょう。ビタミンやミネラルも忘れずに、バランスの取れた食事で栄養を補給します。食品の栄養素がよく分からない方は、1日にいろいろな種類の食品を選んで食べるようにしてみましょう。
運動:通勤時に立つだけでも効果あり
適度な運動やストレッチで筋肉を刺激して新陳代謝を高め、体の巡りを良くしましょう。運動の時間を取るのが難しいのであれば、エスカレーターを階段にしたり、通勤時に座らず立ってみましょう。立っている時は、腹筋に力を入れてお腹をへこませる。椅子に座っている時は姿勢を正し、足を閉じることでも運動効果はあります。
睡眠:熟睡できる環境をつくる
睡眠は成長ホルモンを分泌させ、疲れを取って痛んだ部分を修復してくれます。寝つきがスムーズで目覚めがスッキリして、熟睡感があり疲れが取れていれば、その人にとって良質な睡眠です。自分なりのベストな睡眠時間、タイミング、環境を見つけてください。
精神:ストレスをためこまない工夫
ストレスはため込まないようにしましょう。趣味に没頭する時間を持ったり、湯船に漬かって筋肉を緩めたり、アロマの香りを嗅いだりなど、自分なりの対処法で上手に日々リセットしましょう。
スキンケア:自分の肌質に合ったケアをしよう
清潔にするのが基本ですが、清潔に見せるためにはテカテカでもガサガサでも良くありません。人にはもともと持っている天然の保湿成分のNMF(ナチュラル・モイスチャー・ファクター:天然保湿因子)があります。これは皮膚の一番外側にある角質層を形成する角質細胞の中にあり、水になじみやすく水分を保持する力を持つ物質です。
皮脂と汗が乳化して、天然のクリームとなり、肌のバリア機能を果たしてくれるので、男性の中には化粧品を使わなくても肌が乾燥せず、潤っている方がいますよね、それはNMFが肌のバリア機能を高めてくれているから。しかし、個人差があるので自分に合ったケアが必要です。
そして、紫外線が肌の老化を進める一番大きな要因ですので、紫外線ケアもプラスしてみてください。
ヘアケア:正しいケアをして髪を艶っぽく
頭皮を清潔にするためには、シャンプーで洗髪します。洗髪については「汗ばむ夏に向けてニオイケアできていますか?」をご覧ください。
【シャンプーの流れ】
①ブラシで頭皮と髪をブラッシング
②お湯で髪と頭皮をしっかりぬらす
③シャンプーの泡で頭皮を洗う
④よくすすぐ
⑤髪が痛んでいる方や髪が長い方は、リンスやトリートメントで毛先を保護
リンスは「髪表面の修理屋さん」です。髪表面の保護や光沢(艶)、くし通り、帯電防止、髪のPHを肌と同じ酸性側に戻すのが目的です。
ヘアトリートメントは「髪の内部の修理屋さん」です。加水分解タンパク質を内部に染み込ませて、髪の内部にできた穴をふさぎ、接着させる役割をしてくれます。
水分を保つ内部保護が目的なので、トリートメントは商品の使い方に従って数分置く必要があります。それは内部にトリートメント成分を浸透させる時間です。シリコン成分のトリートメントの場合は、リンス同様に髪の表面の保護が目的です。
⑥タオルドライして、ドライヤーで乾かします
最後に、「洗い流さないトリートメント」や「整髪料」でヘアセットして髪に艶を与えて完成です。
6つの要素のうち、できていない部分や意識していなかった部分はありましたか? 顔まわりの印象ケアには1~6の全ての底上げが必要です。できていない部分や今まで意識していなかった部分を中心に新たに取り組んでみてください。既にできている部分は継続していきましょう。
もし、フケや吹き出物などの頭皮トラブルがある方は、医療機関を受診してください。そして、ひげ、耳毛、鼻毛、眉毛、白髪ケアも忘れずに。顔まわりは相手の視線が一番集まる部分です。ぜひ、『印象ハンサム』と『印象美人』を目指してください。
最後まで、お読みくださいまして、誠にありがとうございました。日々の振る舞い、発言、行動の積み重ねが、あなたの印象をつくります。本来のあなたのポテンシャルに近づくために、印象で損しないために、ぜひ、印象のセルフマネジメントを一緒に意識し続けていきませんか?